※A図
※B図
1.まず患部の膨れ上がった、あるいは陰嚢の中へ垂れ下がった脱腸の部分を、静かにソケイ部へ押し込んで完全に入れましたら、その箇所を指先で押さえ2、3度咳き込んで下さい。その時、指の押える力を弱くすると腸が出たがります。そこが腸が出る穴です。
2.そのポイントの上に三角ゴム頭で押さえ付けると同時に後方よりぐるっと前に帯を廻し、その先端の止皮(ベロ)を頭部のポッチへはめ込みます。(A図参照)
この時、締め具合は指2本が入る程度が適当で、余り強く締め過ぎないよう又、ゆる過ぎないようにご注意下さい。
3.次に帯に差し込んである股吊紐を腰部の横からお尻の脇を通して(B図参照)、股吊紐の先に付けてある止皮を頭部のポッチに掛けます。その締め具合は少々強めがよいでしょう。なお、股吊紐は少し長めに付けてありますから適当にお詰め下さい。
4.下着(パンツ、ショーツ)の上からご使用下さい、本体の汚れも少なくてすみます。
5.大人の方で汗を多く掻く場合もそうですが、特に乳幼児は時々尿などにより本体を汚しますので、ご使用前にガーゼあるいは帯にラップなどで巻いてご使用下さい。
6.脱腸帯のスプリング、バネはご使用によって発条力が徐々に戻りますのでこれを計算して少し強めに製作してありますから、使い始めには押さえゴム頭部にガーゼ、ハンカチ、脱脂綿等を当てて下さってもよいでしょう。
1.脱腸帯の使用によってまれに患部が幾分変色することがありますが、これはまもなく消失しますのでご心配ありません。
2.本体は就寝時や入浴時には取り外してください。取り外しても治療上に何ら支障はありませんがなるべく腸を外に出さぬよう心掛けてください。
ただし、乳幼児で激しい夜泣きをなさるときは夜も着用してください。
3.症状の程度と体質によって若干の差はありますが、本体の使用によって腸が脱出しなくなったようでも、念のため1、2ケ月はお着けになることが必要です。治ったように感じましても、ふとしたことで再び出ることもありますので用心が大切です。
4.本体を2個ご用意くださることをおすすめいたします。それは尿や汗で濡らしますと本体が傷みますので、天日でなく陰干しで完全に水分を取って交互にご使用になると永持ちいたします。水による丸洗いは絶対に避けてください。
5.脱腸は手術後でも再発のおそれがあります。この場合は再手術が難しいばかりか脱腸帯にしても既製品では用をなさぬこともございます。弊社では、このような方のため特注別製に応じております。
6.脱腸は仰向きに寝て静かにもみ込めば、容易く入ります。もし腸を中に押し込みにくい場合は、適度な温度の蒸しタオルで患部を温めるか、入浴するあるいは起床時などに行えばたいていは容易く入ります。